Google の QUIC 実装 QUICHE を利用した Media over QUIC Transport ライブラリのビルドパッチとビルド済みバイナリを公開しました
時雨堂は現在 WebRTC をメインとしていますが、将来的には Media over QUIC Transport (以降 MOQT) も視野に入れています。ただ当面は WebRTC 一択と考えています。
理由としては結局 MOQT は libwebrtc と同レベルのクライアントライブラリを作らない限り WebRTC 劣化版になる可能性が高いためです。
ただ、QUIC のマルチパス拡張はかなり魅力があります。マルチパスは単一の接続で複数のネットワーク経路を同時に使用できるようになる仕組みで、耐障害性やパフォーマンスの向上が期待されている技術です。
マルチパスはブラウザでは利用できないこともあり、まずはブラウザ以外での MOQT を色々試していこうと考えています。そこで Google の QUIC 実装 QUICHE を利用した MOQT ライブラリの様々プラットフォーム向けのビルド用パッチとビルド済みバイナリを公開しました。
今回対応したプラットフォームは macOS / iOS / Android x86_64, arm64 / Ubuntu x86_64, arm64 です。また GitHub Acitons でビルドできるようにしてあります。
パッチは Apache-2.0 として公開していますので、お気軽にご利用ください。
今後の MOQT 対応について
まずは WebRTC Native Client Momo の MOQT 版を作っていく予定です。Apple VideoToolbox や Intel VPL を利用して H.264 や H.265 や AV1 をハードウェアアクセラレーターで配信できるようにする事を検討しています。
時雨堂では Discord サーバーを公開しています。是非参加してみてください。
https://discord.gg/shiguredo